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46 寝た子を起こすな

2013/09/22 5:40 に ずきんはな が投稿   [ 2013/09/29 1:33 に更新しました ]
2013年09月21日掲載
【コラム:寝た子を起こすな】

とても簡潔にストレートに言うとするならば、これは「純潔教育」という言葉に似ていると思います。性的な話であれ、社会的な話であれ、「教えるにはまだ早い」と思われているであろう、事柄で、よく「寝た子を起こすな」という台詞で表現されることが多いと思います。

突き詰めて調べていくと、思想や宗教、哲学の話になっていくので省きますが、では何歳になったら起きるのでしょうか。

保護者であれば、子どもには「教えたくない事見せたくない事」ってあると思います。
乱暴な言葉使いを聞かせたくないとか。暴力シーンは見せたくないとか。
犯罪を助長するようなシーンを見て苦情が殺到するそうですね。
子どもが真似をするといけないからだそうで。もちろん程度問題はあります。だからといって、どの程度ならOKなのか?を論じはじめるのは混乱の元でしょう。
猟師の子どもなら日常にあることは、ホワイトカラーの子どもには残虐に思えるでしょうから。

そういえば思い出すのは、サザエさんの放送の最後におやつを投げ食いして喉をつまらせるシーン。これは、耳鼻咽喉科のお医者さんが、「子供がまねると気管をつまらせ呼吸困難になり最悪死亡する危険性がある」と指摘したことで変更になったのだそうでした。


そういえば私も小さいころ、よくこの投げ食いの真似をしました。
これのプロ級の人たまにいますよね。でも確かに真似をして死んだら困ります。
「喉につまったら危ないからやめなさい」
と言われたような気もします。幸い、死なずに済んでいます。
「よいこのみなさんはマネしないでね!」とテロップに出ることが増えましたよね。

道徳教育として語り継がれてきた昔話。有名なところではかちかち山ですが、私たちが知っているかちかち山と、子供たちの知っているかちかち山は違ってきています。
残虐な部分を改変し、誰も死なない物語になっているものがあるようです。これも何らかの「子どもに知らせたくない」という考えをもつ集団が意見を通したことによって、改変されたものなのでしょうか。

かちかち山に見られる思想を「勧善懲悪」と呼ぶようですが、懲悪部分をわかりやすくやわらかくしてきたこの現代において、歪んだ形で炎上ブームが巻き起こり、学生たちがバカな事自慢の写真を意図のあるなしに関わらず公開し、懲悪、とりかえしのつかない社会的制裁を受けてしまう構図が出来上がってしまっているのは、ずいぶん皮肉なことだと感じます。

親がタバコを吸っているのをみて、吸ってみる子。お酒を飲んでいるのを見てお酒を飲もうとする子。子どもが飲むといけないからと言って、お酒を飲むことを止める人は少ないですね。子どもが運転すると危ないからと言って、車を運転する事をやめる保護者はいませんよね。なぜでしょう。
それはひとえに、保護者の見守りがあるからではないでしょうか。

小さい時は厳重に厳重に、安全な環境を作り、徐々にその安全さを緩めていきます。
道を渡るときは安全確認してから、というのは小学生になっても母親が口やかましく言わねばなりません。それでも交通事故は減りません。減らない交通事故の犠牲を見て、さらに安全啓発は続きます。

ネット上で一体何が問題なのか。それはもうこの点に尽きると思います。

「その子の振る舞いを誰も見守らない」

いえ、見守れないんです。わからないから。知らないから。やりにくいから。

保護者の多く、特に母親は電子機器が苦手な人が多い、と言い切っても誰も否定できないでしょう。苦手な方が多いために、「ネットにはこんな情報があふれていて危険ですよ」と言ったときに、「うちはネット環境ないから、余計な事言わないで」と思う方もいらっしゃると思うんです。

エロサイトたくさんあるって分かったら子どもが見ようとするじゃない。
ちょっと自分でエロい写真とってネットで売ったら売れるらしいなんて分かって真似したらどうするの?

そんな風に考えて、子どもをネットに触れさせない保護者の方もいるかもしれません。
すると、子どもはネットは漠然と「危ないらしい」という事は学びますが、具体的にどのような事が危ないか、を理解する機会がありません。さらにそういった保護者は積極的に理解しようとさえしないように感じています。
しかし、自分の家庭だけがネットを使わなければ良いという時代は既に過ぎ去っています。せめて「何が危ないか」母親には把握しておいて頂きたい、という気持ちがいつもあります。

子どものLINEのやりとりを一緒に見ている家庭があります。facebook を家族でやっている家庭もあります。そういうご家庭は、子どもとよく会話しているようです。やはり、ネット上であってもそのふるまいを見守っているかどうか、であって、電子機器に強いかどうか、ではなさそうなんですね。
それを、ITに疎いからという理由にすり替えてしまっている方が多いような気がします。

では何歳で起こすのか?
多分これは一概には決められないと思います。周囲にネットを使い始める子がいれば、多分その時でしょう。多かれ少なかれ、子どもは子どもの社会の中で影響を受けたりを繰り返すものです。情報はその集団の中で伝播していきます。

今これが低年齢化していますから、起こさなければならない年齢は全体的には低くなってきていると思わざるを得ません。全世帯がフィルタリングしているわけではないことは容易に想像できることです。実際にLINEのためだけにフィルタリングを外してしまう事が今起きているようです。

兄弟姉妹がいる家庭はより難しい制限に悩むでしょう。下の子がネットに触れる事が早まりますね。この影響が総じて低年齢化を進めているのではないでしょうか。

年齢が低いと、より「寝た子」である事が多くなりますが、「寝ている子を上手に起こしてあげる」ということをこれからはしていかないといけないと思うのです。
そして、そのやりかたは、それぞれの家庭に合った形で、自分たちで考えていかないといけないのでしょう。そんな風に思う今日この頃でした。