06 マジコンと著作権と子供たち
2013年04月21日掲載
転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/162759737218681
皆さんの中には、見たことのある方もいらっしゃるでしょうか。
私のまわりでも意外なところで見かけたりもしました。
少し前に、とある議員がTwitterでマジコンを使っていることを暴露したという話が一部で炎上したこともあり、マジコンって一体なに?と思われていた方も多かったのではないでしょうか。
調べてみるとわかってしまいますが、問題となっている「マジコン」と言われているものは、Nintendo DS/3DSで、不法に入手した海賊版ゲームを遊ぶことが出来るゲームカートリッジのことを主に指しています。
任天堂はこのカートリッジの流通に歯止めをかけるため、2009年に公式に取り組みを始めています。
http://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2009/091110.html
しかしながら、この問題は大変難しく根深いものがあり、いまだ解決していない、継続中の問題です。
興味のある方は、wikipediaにある「著作権との問題」として上がっている部分を参考程度に読まれることをお勧めします。
http://ja.wikipedia.org/wiki/マジコン
驚くことに、全くパソコン機器など興味がなく、もっていても使っていないような方の家庭に、このマジコンがあったりするのです。
子供に聞くと、「近所のおっちゃんにもらった」「こんど新しいやついれてもらうねん!」などと無邪気に喜んで使っています。
小さな子供が持っている場合、これを与えているのは間違いなく身近な大人です。
もし見かけたら、
「これを使って、お店で売っているゲームを遊んではいけないよ」
と声をかける、少しの勇気を持ってみませんか。
そんなこと知ってるよーと子供たちは言うかもしれません。でも、だめだとはっきり言う大人も身近にいるのだと、子供たちに知ってもらうだけでも価値があると思います。
(与えているのが親である場合、言うのも難しくなりますが・・・)
子供たちには、ソフトウェアや音楽には著作権があること、お店で販売していること、それを作った人たちがいること、沢山の人がその製品に関わっていること、その連鎖を知らせたい。
大人は、いずれ子供たちがその連鎖の中に入るのだという自覚も必要でしょう。
今は話題になることが減りましたが、Winny というソフトウェアが、音楽データの違法コピーの温床になっていたことで、Winnyの開発者が訴えられ、裁判にかけられた事件はまだ耳に新しい話です。
判決は無罪。ツールを開発した事が違法なのではなく、それを利用して違法データを得る利用者に罪があるとした裁判でした。
マジコンも同じです。たとえば自分で開発したゲームをそのカートリッジで遊ぶ目的であれば全く問題はない、ただの道具です。違法なデータを入手し、それを違法に享受する行為に問題があります。
著作権問題を知らない子供たちは、この違法に遊ぶことへ罪の意識はないでしょう。
音楽のデータをCDに焼いて渡してくれる子も居ます。こういった行為は、やはりこの延長線上にあると感じます。
これらひとつひとつの小さな事例が、デジタルコピー、データの交換など、著作権への理解をねじ曲げる大きな要因となっているのではないでしょうか。
デジタル機器の氾濫によって大人でも思いつかないような事例が沢山でてきています。
知らない人にひとつひとつこれらの事例を説明しようにも、みんな追いつけていないように思います。
写真を取るような些細な行為ひとつにも、すこし考えてから判断をするような習慣をつけていくなど、ほんの少しできることを増やしてみませんか。
私達大人のひとりひとりが問題を丁寧に理解し、様々な配慮ができる世の中になればいいですね。