78 ネット越しで、人柄をどうやって判断していますか

Post date: Feb 16, 2014 2:13:06 PM

いつもは書評の時間ですが、今日はお昼コラムになりました。

さて。「ネット上で会話しただけで安易に人を信用するな」と子供たちに啓発するのが我々大人なんですが、もしそう言われたら、子供からこう聞き返されるかもしれません。

「じゃあ大人はどうやって人を判断しているの?」

さて、これにどうやって答えましょう。

これについて、最近気になっている就職活動に焦点を当てて見ました。

今の時代、就職活動も異常な事態になっているという話をあちこちで耳にします。

一人で100社以上も受けるとか。

その100社を受ける事ができるように、マネジメントアプリが作成され、たくさんの会社に応募できるようなWEBサービスが登場し、マッチポンプ的な世情はどんどん色濃くなっていきます。

採用する側はいかがでしょう。何百人もネットから応募してくる中で、一人ひとりを一体どんな情報でもって判断するのでしょう。規模が大きくなればなるほど、数字による判断に依存していくかもしれませんね。

偏差値という数字を出すことによって、人は人柄や能力の判断をその数値に委ねてしまいます。そうすることによって、人柄を判断する能力を実は失っているかもしれません。

人柄を判断する能力を失った大人は一体どれくらいいるのでしょう。

(判断する、なんて実際にはおこがましい話ですね。本来なら、関わり合うことでお互いが影響し、お互いの人柄が作られていくのですから。)

ニコニコ動画で有名な ドワンゴ。採用にむけて受験料制度を導入したというのはまだ耳に新しい話です。

社会のもつ理不尽さに切り込みを入れる新しい取り組み。期待したいところです。

http://info.dwango.co.jp/pi/ns/2013/1202/

自分たちが数字で判断されていること。将来履歴書に書かれる学歴で判断されるであろうこと。この大いなる矛盾に子供たちは気がついているはずです。だって、子供には言ってしまいます。

「勉強しないと受験失敗するよ!」

でもその一方でみんな言うんです。

「一人ひとり個性があっていいんだよ」

大人の間で繰り広げられるうわさ話。持っている品物で判断される価値観。

見た目が9割。様々なことを話しているのを子供たちはしっかり聞いています。

中卒、高卒、大卒。最終学歴で判断される現代社会。

せめてインターネットの中くらいは、そんなことで判断されない自由な空間で過ごしたいと思っている人は結構いるんじゃないでしょうか。こうなってくると、インターネットはとても魅力的なものに見えるのですよね。

アウトプットだけで判断してもらえる匿名の世界。

学歴もない、成績表もない。それが見ず知らずの人との会話。

だからこそ、それが救いとなる人もいる。

みなさんはどうやって人柄を判断しますか?

気が合うかどうか?偏差値?所属?理念?実績?

お話してみて、なんとなく気が合って。

自分のこと分かってくれてる感じがする。

別にそれがどこの誰でも構わないじゃない。

こういう状態になってから、子供に説明するのってすごく難しそうな気がしますね。

だってすごくいい人みたいな気がするじゃないですか。

ネットで出会う人がすべてが悪い人ではない。

中には素晴らしい出会いもあります。

でも、その中には悪い人もいるわけで。

みなさんは、どうやって判断されますか?