07 調べ学習はいいチャンス

Post date: Jun 7, 2013 2:25:00 AM

「お母さん、今日調べもの学習せなあかんねん。パソコン使わせてな」

小学校5年生くらいになると、調べ学習を行うツールの一つとしてネット検索があるようです。

「ちょっとまって、それ、ネットで調べなあかんの?図書館行ったら?」と言うと、

「先生がネットで検索しても良いって言うてた」と返されました。

夏休みの宿題で、平和学習を行った時に、

「ほかの子どんなことを書いていたの?」と聞くと、

「○○ってインターネットに書いてあったって書いてる子もいたよ」と言う。

ちょっとまって。それって、丸写し?

□小学校教員の8割が調べ学習にインターネット利用 | リセマム

http://resemom.jp/article/2012/09/25/10000.html

調べ学習というと、図書室や図書館に行って調べた内容をノートに書き写し、自分なりに工夫してまとめ直したことを思い出しますが、時代は変わったなと言ってばかりもいれそうにありません。

『調べ学習』をする際には、ネットの情報は信頼できるのか、ネットだけで調べて問題ないのか、調べたことは丸写ししていいのか、などを話し合ういいチャンスだと思いませんか?

1.その内容は本当に正しい?

ホームページやニュースサイトなど、検索するといろいろなページが表示されます。誰でも簡単に作って公開することができるというのは、誰でも情報発信できるという素晴らしい面もありますが、恣意的に事実を曲げた内容だって容易に発信されるのです。

官公庁や新聞などは、情報を発信している発信元が明確ですが、個人のブログでは正しいものもありますが、信頼できる正確な情報か?ははっきりわからない場合も多くあるでしょう。

2.ネットにある情報だけがすべて?

Google八部という言葉を聞いたことがある方も居られるかもしれませんが、Googleが検索結果として表示しないサイトも多くあります。また、あえて、検索サイトから辿られたくないので情報発信者が検索をさせない設定にしているサイトもあります。

また、比較的新しい情報はネット上で発見できるかもしれませんが、昔からまとめられているような資料などはネット上で見つかるようなデジタルのデータになっていないのが大半でしょう。

それに、ネットの記事が文献として書籍を取り上げている場合、ネットの記事は記事の書き手からの視点で書かれていることも多くあるでしょう。本来の情報を得るためには、文献としてあげられている書籍を見る必要がありますね。

3.丸写しはいいの?

まずは、自分が書いた作文や宿題を丸写しや加工されて、誰かに勝手に使われたらどう思うかを子供に聞いてみるといいでしょう。友達が自分より先に、勝手に使った作文や宿題を先生に見せたら、などシチュエーションを追加してみてもいいかもしれません。

とはいえ、著作権法をすべて読むのはなかなかに困難です。

□著作権法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html

第三十二条に「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」と記載されている通り、全てを丸写しは正当な範囲とは言えないでしょう。

第百十三条に「権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為」は「当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為」と書かれているように、見つけたページや、参考にした書籍の内容を、自分が考えたことのようにそのまま宿題やレポートに使うのもだめでしょう。

とはいっても、資料の文言でどうしても利用したい言葉がある場合は、引用したところがわかるようにカギカッコ「 」をつけて書いたり、四角くかこむ、段落を変える等、自分の言葉ではないことを明確にすべきだし、もちろんどこから引用したのか?は引用元を明確に書く必要がありますね。

引用や文献に関しては「5分で出来る著作権教育 | 校種・教科別事業案 」にある「引用を行うときの注意」を参考にするといいかもしれません。先生向けの指導方法などがまとまった著作権に関するページですが、子供でも十分読める内容だと思います。

□5分で出来る著作権教育 | 校種・教科別事業案

http://chosakuken.jp/example_list.html

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実際、検索してみると、見つかるページの多さが膨大で、正しい検索方法を知らなければ目的とする内容が記載されているページに辿り着くことすらできないかもしれません。それに、見つけたことをただ順番に書いたものは学習ではなく。

ここにあげた内容は、実際に、子供と話をした内容で、抜けや誤りもあるかもしれません。でも、一緒に調べる、学ぶというのは何においても大切だと思います。

その他にも『調べ学習』について知りたい方は、以下のサイトも併せてご覧になられてはいかがでしょうか。

□調べ学習のポータルサイト ナビポ

http://navipo.jp/index.php

『調べ学習』という学習方法で、様々なことを子供と一緒に学びませんか?