125 『無料』という名の甘い罠
Post date: Aug 22, 2015 3:07:31 PM
2015年03月21日掲載
転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/396969663797686
「お母さん、これ、無料って書いてるから入れていい?」
聞いてくれるうちはよかった。
「これ、無料だし、この間、お母さんが『無料だったらいい』って言ってたから」
あのアプリ。
あのサービス。
あの広告の先のアカウント登録。
気が付けば、彼のスマホには、アダルトな言葉であふれた迷惑メールのパレードだ。
そういえば、近頃、彼の名前宛のダイレクトメールが郵便受けに入るようになった。
ある家庭で起こった話。
この話を、他人事として受け止めているのであれば、まず、その姿勢を変えるところから始めるといいかもしれません。
★そのサービス・アプリどうして無料なの?★
App Store や Google Playで手に入れることが可能なアプリたち。
『無料』とタグの付いたアプリも横には『アプリ内課金あり』といったような表示が目につきます。
『アプリ内課金』とは、アプリの中で次のステージに進むのにお金が必要になったり、アイテムを手に入れるためにお金が必要になるという仕組みです。
では、『アプリ内課金』がないものはどうでしょう?
そのアプリを起動してみたら、なんだか『広告バナー』がいっぱいで、どれが操作に必要な場所かわかりにくいなんてものもありますね。
『広告バナー』はそのゲームをプレイしているのが未成年かどうかなんて判断してくれませんから、小学生なのに、表示されている広告は『出会い系サイト』の案内ということもありますよ。
なぜ、アプリが無料で成り立つのか?を大きく分けると
1. アプリ内課金(追加機能に課金も含)
2. 純粋な広告(AdSense、iAdのようなGoogleやAppleが提供する仕組)
3. アフィリエイト(他のアプリ・サービスへの誘導を行う仕組)
の3つを想像しがちですが、悪意のある機能で収入を得ている可能性もあるかもしれません。
4. スマホ内の情報や登録に用いられた情報を利用
この4つ目の仕組みも、たとえば、利用規約に登録された情報を明確にある種の利用目的で利用すると書かれている場合には、どうして読んでいなかったんだと思ってもあとのまつりかもしれません。
★そのサービス・アプリにかかる費用を考える★
『無料』という言葉の裏には様々な仕組みが隠れています。
だって、サービス・アプリの開発や公開には『コスト』がかっているのですから。
1. 開発コスト
2. 公開コスト
3. 広告コスト
■『開発コスト』
サービスやアプリを作成するのは、瞬間的にできるものでもありませんし、それなりの時間がかかります。
企業が公開しているものであれば、その時間分の人件費がかかりますし、サポート費用も必要になるでしょう。
趣味で行っているものも、やはり、開発にはその人の時間やスキルが利用されているわけで、趣味だから無料といわけでもないですよね。
■『公開コスト』
App Store や Google Playにアプリを公開するの、有料なんですよ!
だって、AppleやGoogleといった審査機関が審査するんですもの。
Google Playで公開するための費用は発生しませんが、初回にアカウント登録料$25が必要です。
参考:Google Play Developer Console
https://play.google.com/apps/publish/signup/
App Storeの場合はもう少し敷居が高くなります。
iOS デベロッパ登録に関する年間参加費は、11,800 円。
年更新ですから、定期的に更新されるアプリの費用はいかほどになるでしょう?
参考:iOS Developer Program - Apple Developerhttps://developer.apple.com/jp/programs/ios/
■『広告コスト』
広告コストはテレビCMや雑誌に流されたり掲載されたりするコストです。
一本当たりのCM料金を私たち一般消費者が明確に知ることは困難かもしれませんが、15秒1本当たりの費用を公開している比較サイトを見るとため息が出ます。
広告代理店|メディア価格がわかる『広告ダイレクト』| » テレビCM
https://www.kokoku-direct.jp/massmedia/tvcm/
★『無料』という言葉の裏に隠れるもの★
もし、子供に「このアプリ無料だから入れていい?」と聞かれた時には、なるべくこの言葉を言わないで欲しいと思っています。
『無料だったらいい』
『無料』という言葉の裏に隠れるものを、子供と話し合うよいきっかけにするのはどうでしょう?
金銭教育まではいかないにしても、そういった積み重ねが子供の感覚を養うのかもしれませんよ。