32 LINEがすべて悪いのか?

Post date: Jul 27, 2013 10:44:18 PM

広島で起こった痛ましい事件の報道が連日続き、「LINE」という言葉を耳にする日が本当に増えました。

私は、この「LINEのぐるちゃで言い合いから殺人へ」というニュースキャスターの言葉にとっても違和感を持っていました。

関西授業づくり研究会でもお世話になっている千葉大学の藤川先生が、この件についてコメントされているので、もしご覧になられていない方が居られましたら、まずは一読して頂ければと思います。

広島遺体遺棄事件についてのコメント: 藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ

http://dfujikawa.cocolog-nifty.com/jugyo/2013/07/post-a8c9.html

・LINEは基本的にメールの代替手段

・LINEで知り合ったという誤解(LINEの非公式ID掲示板等が出会いではないのか)

その他にも書かれていますが、LINEはWeb上の掲示板とは異なり、特定の箇所に蓄積されて読み返すことが可能な物ではありません。さらには、基本的にLINE社が内容を検閲しているわけではありません。

この件は、情報科学屋さんを目指す人のメモ の中で、「アカウントを通報すると、ユーザが受信した最新100件までのトーク内容が運営に送信され、内容を読まれてしまう」ということが記載されています。

つまり、通報を行わない限りトークの内容は運営に送信されないということです。

「LINEパトロール開始」という噂話と「LINE運営はトーク内容を読める」という規約 | 情報科学屋さんを目指す人のメモ

http://did2memo.net/2013/04/29/naver-line-patrol/

先週末に、京都府警と京都府が「ネット事業者に、児童ポルノの流通、拡散を防ぐ責務があると定めており、ラインが児童ポルノや児童買春などの犯罪の温床になっているとしている」と拡散防止の対策要請を行ったというニュースがありました。

LINE:京都府など対策要請 有害情報の拡散防止- 毎日jp(毎日新聞)

http://mainichi.jp/select/news/20130719k0000m040128000c.html

京都府警がLINEに違法有害情報の拡散防止対策を要請 : J-CASTニュース

http://www.j-cast.com/2013/07/19179719.html

これも、藤川先生のBlogエントリーを読んでいただけると、あれ?という気がしてきますよね。

電子メールには有害情報の拡散防止要請されているでしょうか?

警察庁:あぶない!出会い系サイト:出会い系サイト規制法の解説

http://www.npa.go.jp/cyber/deai/law/

を読むと、電子メールそのものが有害情報の拡散防止要求をされていることはなさそうです。

でも、出会い系サイトや迷惑メールなどから始まる電子メールでの有害情報の拡散は残念ながら起こっていることですよね。

Googleの検索で、「生徒 指導 アプリ スマホ」でPDFファイルとして公開された情報を検索してみると、検索結果として真っ先に表示されるのは、いずれも、どこかの学校の生徒指導だよりであったり、PTA通信です。

表示された結果を見ていくと、「LINE」という言葉が確かに目につきます。

LINEを規制したとして、LINE以外の同様の機能を持つアプリに子供たちが流れていく。

そうなった時に、また、その流れた先のアプリを指摘しては規制していくのでしょうか?

急成長した通信手段だからこそ、あわてて蓋をしてしまうのではなく、しっかり向き合って、根本が何なのか?

また、交流方法やコミュニケーションスキルの向上など様々な成長を子供たちに期待したうえで考えていきたい問題だと思います。

===以下加筆===

兵庫県立大の竹内先生が興味深いお話を書かれていました。

スマホ少女の憂鬱、スマホ少年の暴走~今、10代が危ない - 第8回 広島の事件にLINEはどうかかわったのか、...:ITpro

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130722/493122/

現時点で、断片的な内容しか報道には出ていませんが、LINE殺人事件という違和感について、学校現場どういう対応ができるのか、親がどういう対応をできるのか。

という話を書かれていますので、一読どうぞ。

竹内先生とお話をしていると、私の考えがとても寛容な物に受け取れるそうです。

それは、私自身がまだそういった問題に対自していないからかもしれません。

学校現場という場所では、自分の子供だけではない、より多くの子供達とふれあい目にするというのもあるでしょう。

教員から見た視点、親から見た視点。立場の違いによる異なり。

子供の差異による受け止め方の違い。

全てが画一ではないのが当然なのですから、こうやっていろいろな意見が出ることが、いいのかなと思いました。