137 子供に何も教えずに検索させてみた
Post date: Dec 11, 2015 6:17:00 AM
2015年8月22日掲載
転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/478613082300010
【コラム:子供に何も教えずに検索させてみた】
夏休みの宿題。
調べ学習。
特定の用語について作文を書く。
多くの学校で出されている種類の宿題ではないでしょうか。
「平和について」
「人権について」
「税について」
その他にも、多くの題材を調べて400字詰め原稿用紙に調べたことの内容であったり、感じたことであったり、未来への希望であったり、学年相応の言葉を綴っていくのです。
書籍を購入したり図書館で借りたりして、読書による見聞を広めても、ピンポイントに掘り下げた情報は書籍の中だけでは限りがあります。
(もちろん、何冊も読めばよいだけの話なのかもしれませんが...)
ありがたいことに、昨今の宿題では、インターネットを利用して、特定のワードに関する多くの情報を得ることも由とされているため、せっかくの機会ととらえ、フィルタリングを外した状態で、子供に何も教えずに検索させてみました。
検索をして数時間。
マインドマップ化された情報の中には、出典が怪しげな内容も含まれています。
「ねぇ、この情報ってどこで調べたの?」と聞くと、「Yahoo!知恵袋に書いてあった」と答える。
_人人人人人人人_
> Yahoo!知恵袋 <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
なんかいっぱい長い文章があったので、抜き出した。Yahoo!ってついてるんだもん、大丈夫な内容でしょ?
というのが子供の意見。
小学校から、学校の調べ学習で確かに「Yahoo!キッズ」を利用していたのは知ってる。子供に刷り込まれた「Yahoo!=安全で安心」という意識。
さらに、「ねぇ、この情報ってどこで調べたの?」と聞くと、「Wikipediaに書いてあった」と答える。
_人人人人人人_
> Wikipedia <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
「先生が言ってた、インターネット上の辞書だって」
あーねー。
その項目にはこんな文言が書かれているんですよ。
「この記事には複数の問題があります。改善やノートページでの議論にご協力ください。出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。」
誰でも投稿できるYahoo!知恵袋。
誰でも編集できるWikipedia。
確かに、集合知なのかもしれないけれど、出典もとが書かれていない記事をベースに書くことは、結果として自分がウソの情報を広めることにつながるんだよと子供に伝える。
でもさ、中学生にもなると情報を扱う授業があるわけで、どのように子供たちは学んでいるのかと気になって、教科書を見させてもらった。
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情報の信頼性について書かれた項目で、最も被害にあいにくいサイトはどれ?
1. 安く売っている個人のWebサイト
2. 電子掲示板や電子メールを通して発信される情報
3. 名の知れたWebサイト
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情報の信頼性について書かれている箇所はA4の半分。
インターネットやスマホの話をする際に、ネット上の情報の真偽の話をするけれど、授業で習っているのがそれだけなら、確かに、見極めがんばれは厳しいのかもとため息をついた。
もう、夏休みも終わりだけれど、もし、調べ学習の機会があったなら、ぜひ、子供に何も教えずに検索させてみてください。
彼らは、どこから、どんな結果を見つけ出してくるのでしょう。
習うより慣れよ。
そんな言葉をふと思い出しながら、少し遠くを眺めました。