41 防災とプライバシー
Post date: Sep 22, 2013 10:36:49 AM
2013年09月01日掲載
転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/209706109190710
【コラム:防災とプライバシー】
関東大震災が起こったのが9月1日で、防災の日となっています。
災害と聞いて、今私たちがすぐ想像するのは、やはり東日本大震災ですね。
私は関西人なので、阪神・淡路大震災も合わせて思い出します。
その防災の日にちなんで、安否情報確認のサイトに関するニュースが流れました。
http://japan.internet.com/webtech/20130830/4.html
安否情報まとめて検索、というサイトに、各自治体が連携することになった、という内容です。そのサイトはこちらにあります。
そのニュースの中で、気になる点がありました。
このサイトでは情報を登録するのは「避難所で同意を得た人に限られる」という内容なのでした。
東日本大震災で安否情報を公式にネット上で提供したのがGoogleパーソンファインダーでしたね。今は機能しておらず、体験版として残されています。
http://www.google.org/personfinder/japan/
災害の時には、誰もが家族や親類縁者を探すために、とにかく情報を発信、または収集していました。これらは時間が命。 Twitterを使った安否確認も数多く流れました。
日が過ぎるに連れ、この情報も徐々に収束し、役目を終えるようになったくらいの時でしょうか。
一人、女性と思われる方が Googleパーソンファインダーに要望を出していました。
その女性は、DV被害者で元夫から逃げつづけており、ネット上で誰かが自分を探す書き込みを書いたらしく、自分の知らないところで、自分にまつわる善意の情報が流れてしまっており、大変困るので消して欲しいという内容でした。
災害時とは言え、探されると困る人がいるのですね。
善意で情報を提供した人はそんな事は分からなかったでしょうし、探される方もわざわざその事は伝えなかったでしょう。
そういう配慮をあらかじめ施して「安否情報まとめて検索」ができたのかな、とぼんやり思いました。
そういう配慮があるのならどのような立場の人も安心して利用できますね。
このようにプライバシーを守るのは本人ではなく周囲である、というのは明らかです。このような社会全体がネット上でのプライバシーを守れる方向に進むとよいのですが、残念ながら一度公開されてしまったプライバシーを守る技術というのは世の中にありません。
ネット上に公開された情報が、たとえ善意が元であっても、様々な事に利用されてしまう現実があるということ。子供たちに防災を通じてお話しされてみるのはいかがでしょうか。