34 私、携帯持ってない
Post date: Aug 12, 2013 8:10:52 AM
2013年08月03日掲載
転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/201155100045811
小学校6年生の女子のお話を少し。
仲良し3人組で、学校では楽しくしているのですが、夏休みに入ると様子が変わります。
二人は携帯を持っていて、一人は持っていないのです。
仮にAさん、Bさん、Cさんとしておきます。
学校ではプール解放の時間があり、3人で待ち合わせをします。そんな約束も携帯を持つAさん、Bさんの二人の間ではメールで連絡を取り合っているようです。ところが残るCさんにはメールを出せないため連絡がつきません。
ある日、Cさんが約束の時間に待ち合わせ場所で待っていると、二人がなかなか来ないのです。おかしいなと思いつつ、一時間程まって、ようやく二人がやってきました。
AさんBさんは、どうやら遅刻することが分かっていたようでした。Cさんはすっきりしないながらも、やっと二人が来てくれたのでその後は遊べましたが、帰ってきてからお母さんにこう言います。
「携帯買って!」
このCさんの要求にお母さんは悩みます。
小学5年生の男の子の話を少し。
いつも学校で遊んでいる子どもたち。時折お互いの家に行きつつDSで皆で遊びます。
仮にAくん、Bくん、Cくんとしておきます。
ある日、Aくんが、PSPを買ってもらいました。続いてBくんのところも買ったようです。CくんのところはDSを買ってもらったばかり。AくんとBくんがPSPを買ったと聞いて、Cくんはお母さんにこう言います。
「PSP欲しい!」
でもDSを買ったばかりでCくんは買ってもらえません。程無く、AくんとBくんは遊びに来なくなりました。Cくんのお母さんが参観日にAくんのお母さんに会ったので、最近遊ばないね、どうしてる?と話しかけたところ、
「うちの子な、CくんPSP持ってないから、誘うのかわいそうやし誘わへんって言ってるのよ、ごめんね」
と言われます。Cくんのお母さんは悩みます。
この子供の状況に心が揺らぐ保護者は多いことでしょう。
持っていないことで、友達の和に入れない。これが子供の中で起こっている現実です。
年齢が上がるに従って、この現象は多く、強くなっていきます。
男の子の例ではPSPとなっていますが、今はこれがスマホに取って代わりました。
女の子の例では、「家に電話すればいいじゃない」と思われる方も多いと思いますが、メールができる子どもたちは家電話を敬遠するようになるため、電話すれば良い、という発想にならないようです。
もし、この携帯を持っている子が少なければ、圧倒的大多数が持っていない子になりますから、単純に持ってる子を羨ましい、と思う程度で済みますが、自分の周りの殆どが持ち始めるとこれは様相が変わります。
自分だけが持っていない。
この孤独感に子供は葛藤し、その葛藤に保護者もまた葛藤するのです。
買い与える保護者が、子供の年齢が上がるにつれてクラス内、学年内で徐々に増えていき、また、買い与える年齢も徐々に下がってきています。
おそらく、小学生の間で所持率があがるのも時間の問題のような気がします。
5月に行われた、第9回関西授業づくり研究会「情報革命によって変化する社会と教育」で、Google の方に向けて、高校生が良い問題提起をしていました。Twitter でのまとめをご参考にどうぞ。
まとめより、質問内容を抜粋してみました。
「入学前にLINEグループが出来上がって、入学時にはみんな知り合い、大人の人はどう思いますか? 」
「携帯を持たない高校生の話:持ってないと辛くてどうしたらいいかわからない。家の事情や親の教育方針。でも、周りは持っていて当然。持っていないというと「え?」って空気になる。悔しくて仕方ない。将来ITを駆使する仕事でないものにつきたい。仕事で使わない人はどうすればいい? 」
「持ってない高校生の話2:パソコンが家にあっても、携帯を持ってないと現状についていけない、どうやって追いついたらいいかわからない。追いつくために情報格差もあるけど情報格差の是正を政治の人はどう考えてるの?高校生はどう動いたらいいの?」
この質問を前に、保護者がそれでも携帯を持たさない選択ができるかどうか。内閣府の実態調査を見てみましょう。
平成24年度 青少年のインターネット利用環境実態調査
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h24/net-jittai/html/2-1-1.html
図表2-1-1-1 携帯電話の所有状況を見てみると、
高校生 98%
中学生 51%
小学生 27%
高校生で持っていない子はたったの2%。
中学生で約半数です。ただ、中学生をもつ我が家の周囲を見ていると、もっと多いような印象を受けています。
小学生でも持っている子の周囲が徐々に浸透するように持ち始めてきています。
果たして今年、これがどのように変化するでしょうか。
今年も半分が過ぎましたが、来年に発表される結果を勝手予想しつつ、近所の保護者の悩み話を聞く日が続いています。