ネット啓発における「企業の使い方」レポート

2013年07月23日掲載

転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/197583837069604

本日から、3回に分け、「夏休み前に子供とソーシャルゲーム・スマホゲームを考える会」セッション及びディスカッションに関するお話を紹介させていただきます。

2013年07月21日 日曜日の午後、子供とネットを考える会で「夏休み前に子供とソーシャルゲーム・スマホゲームを考える会」という初のオフライン勉強会を行いました。

勉強会概要(セッション紹介、講師紹介等)

2013年07月21日開催「夏休み前に子供とソーシャルゲーム・スマホゲームを考える会」

会場は大阪電気通信大学の演習室をお借りし、広いスペースではありましたが、熱い気持ちを持った参加者の方にお越しいただくことができました。

第一回:

グリー株式会社 経営基盤本部安心・安全担当マネージャー小木曽 健 (おぎそ けん)さんによる『ネット啓発における「企業の使い方」』

グリー小木曽さんからは、まず最初にCSRの説明を行っていただきました。

■グリーのCSR活動について

グリー株式会社(GREE, Inc.)| CSR | 安心安全なインターネット社会の構築 http://corp.gree.net/jp/ja/csr/internet-society/

CSRの一環で行っている啓発活動(講演、講習、教材作成支援等)は大人も含めた全年齢対象。

講習については幅広く、団体個人問わず行っていて、海でも山でもどんな場所でも対応されています。

CSR活動なので費用不要ですので、予算の無いPTA活動で会員に向けてや、私たちのような小さな勉強会等にもお越しいただくことが可能なのがとてもありがたいです。

講演などに参加された際のレポートは随時更新されていますので、興味がおありの方はぜひご覧になっていただければと思います。

グリー株式会社(GREE, Inc.)| CSR | 活動レポート | 啓発活動レポート

http://corp.gree.net/jp/ja/csr/report/awareness/

また、グリーでは会社見学も受付けているので、修学旅行などの際に申し込んでみるのもいいかもしれません。

グリー株式会社(GREE, Inc.)| CSR | 活動レポート | 企業訪問レポート

http://corp.gree.net/jp/ja/csr/report/company-visit/

講演・講習は、事前にヒアリングして、要望にあわせたプログラムで行うため、学校や現場に即した内容をお話しいただくことが可能です。

今回の子供とネットを考える会でも、こちらから要望させていただいた内容と時間にまとめていただき、講演をいただきました。

内容は幅広く、メールでのケンカで勝つ方法 とかでも構わないそうです(けんかを終わらせる、着地させる方向で)。

■グリーが作成した「事例に学ぶ情報モラル」について

次に、ご紹介いただいたのが、この会でも以前紹介させていただいた『情報モラル教材「事例に学ぶ情報モラル」』についてです。

この資料は、『炎上で人生を台無しにしないために』という目的を絞って作られています。

情報モラル教材「事例に学ぶ情報モラル」

http://corp.gree.net/jp/ja/csr/internet-society/educational-activity/teaching-materials/index.html

学校という現場で、炎上阻止だけに限定した資料を作るのは難しいと思い、グリーが今までに培った啓発活動で得た反応や、実際にソーシャルゲーム・ソーシャルネットワークを運用する中で起こった事例などを交えこの資料は作成されました。

啓発活動でカバーできない地域、スピードを配布資料で補うことができればという思いもあったそうです。

2013年5月にこの資料を公開し、2か月余りで全国中高に30万部配布されています。

数で言うと、日本の1割程度の中高に配布したことになるとのことで、もしかすると、お子さんがこの資料を使った授業を受けておられるかたもいらっしゃるかも知れませんね。

出張講演を行っていて子供たちに話を聞くと、小学校6年生でLINEをしているという子もかなり多くいるそうです。

スマホを持っている子より、LINEをやっている子が多い。

9割居る場合もある。

スマホを持っていないのになぜ?と思う方も居られるかもしれませんが、契約が切れた親のお古のスマホ、音楽プレーヤーのiPod Touch等を親はネットできると知らずに安全だと思って子供に渡している。

なので、LINEを使っている人!と聞いて上がる手の多さに先生がどよめく。

iPodTouch、お古のスマホ、タブレットは、通信機器携帯会社の子供を守るための契約ツールがつかえない分たちが悪い。。。

物事の何にでも良い面と悪い面があるように、SNSも同じです。

■良い例

SNSの良い使い方。

気仙沼で震災時ツイートされたものが拡散し、救出のカギになった例。

猪瀬副知事がTwitterに反応し、気仙沼の取り残された人を助けた。気仙沼→ロンドン→猪瀬副知事 ツイッターによる救出劇 - Togetter

http://togetter.com/li/124562

Twitterで「助けて紙がない」トイレでつぶやいた人に紙が届く。

→15分でトイレの紙が渡された。

これは、大人の男性が自分の責任で公開しているんだけれど、子供達がやっていいことではないということもある。

参考:

トイレ男? 「トイレットペーパーが無い!助けて」と『Twitter』で助けを求め無事生還 – ガジェット通信

http://getnews.jp/archives/58670

sns のよいところ→<<人と人を結びつける 結び付きを強くする。>>

■悪い例

位置情報をonにして、自分の部屋の写真を公開するようなケース。

SNSにスマホで取った写真をアップ。位置情報入っていることをしらない。それは子供も大人も知らない。写真には位置情報が入っているということを知らないことが問題。必要に応じて設定する。

■炎上の例

つい先日、コンビニのアイスボックスに人が入りこんだ写真が炎上。Facebook→Twitter→2ch本人特定→翌日コンビニFC契約解約。

参考:

コンビニ店員がアイスの冷蔵ケース内で寝転ぶ写真、Facebookに ローソンが謝罪、FC契約解除 - ITmedia ニュース

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1307/15/news009.html

数十万の人間が一人の人間について、調べ上げる。一瞬で個人特定される。

子供にとって、どの駅下車、バイト何日入ってるとかは個人情報じゃないと思っている。安易なプロフィール紹介によって一つ一つの言葉は個人情報にならないが、すべての情報を突き合わせることによって、個人特定できるようになる。

「停電なう」「ゲリラ豪雨」と呟くことで、実は個人が特定できる。

参考:

【注意】こんなにあった!あなたの自宅が特定されるツイートまとめ いまトピ - goo

http://ima.goo.ne.jp/column/article/89.html

「わたしの投稿なんか誰も見ていない」と思っていないか。

とあるいじめ動画 594,436 プレビュー ジャージの後ろ姿から学校特定、呼び合っている名前、さまざまなささいな情報によって個人特定されるまでに数十分。

何故注目を集めるのか?見られているのはふるまい有名かどうかは関係ない。

Twitterの鍵付だから大丈夫って本当?→画面のスクショで拡散。

LINEのいじめトラブル→画面のスクショで拡散。

今のふるまいが5年、10年後の自分を苦しめる。

大学担当者がネットで炎上事件を知り、推薦を取り消す。

企業は過去の炎上事案を見たら採用しない。

婚約破棄...なども起こるかもしれない。

10年以上前の炎上事件でも、簡単にたどることができる。

過去のネットのふるまい調査が興信所の新しいビジネスになるかも。

■未来の話

今後ネットがどうなっていくか?

Google Glassを例にした話。

手荷物ネットから体につけるネットへ。

画像の表示機能を持ったコンタクトレンズの話。

体の中へ入れるインターネット。脳インターフェース。

技術的にはまじめに研究されている。それは体が不自由な人のため。

子供たちは生きている間にこれが実現しているかも・・・

未来では、ネットと日常の境目がなくなる。と、よく言われる。

しかし、ネットと日常は今もこれからも今までも地続き。

ネットの中だけで許されることはない。

日常でやらでないことはネットでもやらない。

やってしまったときの影響は、リアルよりネットのほうが段違いに大きい。

ネットの影響が現実の自分、未来の自分に影響する。

ネットは道具。包丁も車もネットも同じ。

包丁を使う人の振る舞い、車に乗る人のふるまい。

間違って使うことが、問題。

よいインターネットも悪いインターネットもない。

子供たちは未来に必ず就職や結婚という人生に関わっていくであろうことをしらない。

僕はすでに炎上を起こしてしまった子たちを救う方法を知らない。

正しく怖がることが必要。

間違った怖がり方では逃げたり避けたりすらできない。

車と同じで、使うにしても使わないにしても知識が必要。

個人情報についての正しい怖がり方。

自分が誰で、いつ、どこにいたのか、いるのかを出してはいけない。

必要のないことはネット上で書かない。

ネットの中だけの友人とはどんなに仲良くなっても絶対に会わない。

駅でハンカチ落として出会った人と知り合ったネットの中で知り合った人。

どっちが殺される確率が高いか? これが現実現在の答え。

ネットの世界では、悪い人がいい人に、大人が子どもになれる。

殺されたくないなら行かない。

”LINEは危険”ではなく、”LINEの適切な設定方法を知らずに使っている”のが危険。

コレをオフにすればいいという設定→中高生には不要な機能。

ID検索許可・友達自動追加・友達への追加を許可。

ふるふるで登録すればいいじゃない。

LINEやTwitter。

すぐに反応しないと悪い?会話が気になる?話題についていかないと? こんな心配ばっかり気にしていると、ネットの良さが台無し。

自分の必要なタイミングで使おう。

ネットは相手の状況に関わらず発信できるのが良さ、リアルタイム性を求めるのはダサい。

そんな使い方をしているのは、一番ダサい使い方をしているんだよ。

友人だけに見られるネットなど存在しない。

どうみてもAndorid端末、実はカメラ、実は炊飯器。今後、Android OS搭載の端末、家電が増えていくだろう。

日用品がネットにつながっていく。

メーカーにとってOS開発をしないでいいのは魅力的Androidのほうが安い!

最近は40-50分のセミナーをしている。終わった時には皆へこんでる。

■グリーの監視活動についての話

グリーの活動監視、24時間365日行っている。

ピークは夜の8時以降。

グリーは、3年前まで非出会い系サイトの子供の被害が突出していた。

ようやくいま、安全な状況を作ることが出来た。

グリーの青少年対策の現状。

子供がかかわるメッセージを数百人の目でチェックしている人間じゃないとわからない。

縦読み、一文字送り、などなど、人間でないとこれはできない。

いけない書込みに対する通報は1件の書き込みに対して、数百件件程度来る。

サイト内の通報という機能は実に有効に働く。

グリーではすべてのコンテンツに通報機能がある。

携帯端末認証、携帯フィルタリング、KDDI、ソフトバンク年齢確認サービス などで年齢詐称への防御。

サクラ出会いメールは挙動検知認証。

再登録不可能とか。

青少年保護/健全育成のためのとりくみ。フィルタリングで年齢判断、大人から年齢認証もらう機能制限。監視、認証、機能制限、啓発活動18歳未満のメール制限は近い年齢のみ。

参考:

ヘルプ - グリー - グリーメールを送る際、年齢制限により送信できないと表示されるのはなぜですか

http://help.gree.jp/app/answers/detail/a_id/2869

■感想

小木曽さんのセッションを聞くのは3回目で、3回とも全く違った切り口から啓発活動を行っておられるので、次回お話をお伺いする際には、きっとまた違った切り口からお話していただけるのではないかと思いました。

ディスカッションでも様々なお話を伺うことができたので、レポート第三回目をお楽しみに。

明日、15時に掲載予定

第二回:

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社新規事業開発室 室長橋本 裕之(はしもと ひろゆき)さんによる『安心、安全なゲーム環境を提供するために』

明後日、15時に掲載予定

第三回:

子供とネットを考える会 による『親にできる、ネットでの子供の守り方』とディスカッション