2 コラム‎ > ‎vol.03 201310~12‎ > ‎

53 子供から見た利用規約

2013/11/08 8:22 に ずきんはな が投稿   [ 2013/11/08 8:23 に更新しました ]
2013年10月13日掲載
【コラム:子供から見た利用規約】

我が家の子供が、初めてスマホのゲームをしたいと言ってきたとき、利用規約をちゃんとお母ちゃんに読ませてねって子供に話をしたのを覚えています。

その時のお話はこちら。
コラム:子供にソーシャルゲームをしたいと言われた日

その時にも、利用規約の話に触れたのですが、
・そもそも利用規約ってなんなの?
・どこを見ればいいの?
という話を、その後子供としたので後日談です。


◆ そもそも利用規約ってなんなの?

『良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方』(※ 1)という本には、サービス提供者に向けた「利用規約」の作り方が書かれています。

「利用規約」=サービス提供者にとっての「防具」

であって、利用者側は最低限どこをきちんと把握すればいいのか?はわかりません。
もちろん、「規約」に同意して使用しているので、一部分しか読んでいなかったから一部分のみにしか同意していないということは残念ながら通じません。

IT系の仕事の方ですと、昨年度起こったレンタルサーバでのデータ消失事故における利用規約の話は記憶に新しいかと思います(※ 2)。
この場合は、利用規約というよりは約款でしたが、「データの破損・紛失に関して一切の責任を負いません。 」と書かれていたことで、どの程度保障されるのか?復旧は可能なのか?という話がネット上を飛び交っていました。

Yahoo!辞書で検索しても「利用規約」という言葉の意味は出てきません。
Wikipediaを見ても「利用規約」という言葉の項目はありません。
コトバンクで調べても「利用規約」そのものは存在しません。
はてなキーワードでようやく「利用規約」というエントリーが見つかりました。

利用規約とは - はてなキーワード
「利用規約」=サービスなどを受けるに当たって、事前に承認すべきものとして規定されているルール。

何かアプリを使うにも、インターネットのサービスを使うに当たっても、使う前に「承認」するものということなので、使っているということはサービス提供側からすれば「承認」しているということになるようです。

利用規約ナイト資料「サービス運営者目線の利用規約」を読むと、何を守るためのものなのか?がよくわかります。

利用規約ナイト資料「サービス運営者目線の利用規約」


◆ お母さんどこ見たらええの?

実際に、ゲームをさせるために利用規約を読ませてみました。

看做って何?
利用者が未成年者ってあかんみたい、お母さん読んで。
虚偽って何て読むん?
なんかもう疲れた、めんどくさい、やるのやめる。

結局、最後まで読むのをあきらめてしまいました。

大人でも読むのが難しい「利用規約」をがっつり読ませるつもりで印刷して渡してみたけれど、読めない漢字や難解用語のオンパレードは、我が家の子供にとっては面倒くさい以外の何物でもないようでした。

実際に、いろいろな会社の利用規約を読んでみると、
・定義・目的
・禁止行為
・利用者の義務・責任
・著作権・知的財産権
・保証の否認
・免責
...etc 難しい言葉がてんこもりです。

「ねぇ、免責ってわかる?」って聞くと
「底辺×高さ」と返ってきたので、そりゃ面積違いだろうと話をしてから漢字を説明してみた。
「免責の『めん』はごめんなさいの『免』、免責の『せき』はせきにんの『責』」というと
「ごめん責任取るわってこと?」と返ってきて、はふぅ。


◆ 努力はどちらがすべきなの?

ゲームをするには「利用規約」に同意する必要がある。
同意するためには読む必要がある。
読むためには理解される内容である必要がある。
...と思う。

だけど、GooglePlayやAppStoreで子供向けに提供されているアプリの利用規約の文面は大人に向けた文面。
GooglePlayの利用規約を読むと「18 歳以下のユーザが利用する場合は親権者や後見人の許可」が必用。
AppStoreは11歳以下の子供を対象にした「子供向け」App Storeを提供しているけれど、子供向けに書かれた利用規約はなかなか見つけることができません。

サービスを提供する側からすれば、利用する側が努力して内容を把握して理解する必要があるのでしょう。
でも、スマホを手に持った子供たちが親の影響下の外へ行ってしまった時に、利用規約を読むべきは子供達自身なのです。

サービス提供者のための利用規約の本はあるのに、利用する側のための本や記事はなかなかみつかりません。

子供達に向けて書かれた「利用規約」をもし目にしたら、それはとても前向きな会社なのかなって思います。

小中学生でも利用しているTwitterの場合、ヒントが書かれていたりとわかりやすくなるような努力をしているなと思います。

Twitter / サービス利用規約

Twitterを利用するための基本条件として書かれているヒントには「Twitter上の発言は瞬時に世界中で閲覧可能となります。ツイート(発言)の責任はユーザーにあります!」と書かれていますし、ユーザーの権利に関しては「ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧できるようにすることを認めたことになります。」と書かれていたり、ヒントには簡潔にいうとそんな感じということが示されています。

もちろん、年齢を重ねていくごとに難しい文言を理解する努力も必要なのかもしれませんが、ちょっとした工夫で利用規約はわかりやすくなるんだなという例ですね。


◆ 子供にとっての利用規約

ゲームアプリやWebサービスの利用規約は、子供達が一番最初に触れる「他者との契約」なんだと思います。
たぶん。

今のところ、どのアプリどのサービスを見ても、完全に子供に向けた内容で書かれている利用規約はないような気がします。
もちろん、親が付き添うべきということもあるのかもしれませんが、大人でも難しい法律用語の羅列ではあきらめのほうが先に立ってしまいます。

子供が、他者と最初に交わす「契約」がわかりやすいものであるように、企業の方にはもう少し頑張ってほしいなと思う親心でした。

参考文献:
※1:良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方(技術評論社)
※2:損害賠償はどうなる? 法律家が読み解くファーストサーバ事件