安心、安全なゲーム環境を提供するために レポート

2013年07月24日掲載

転載元:https://www.facebook.com/SafeWebKids/posts/197980177029970

第二回:

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社新規事業開発室 室長橋本 裕之(はしもと ひろゆき)さんによる『安心、安全なゲーム環境を提供するために』

2013年07月21日開催の「夏休み前に子供とソーシャルゲーム・スマホゲームを考える会」のレポートです。

2013年07月21日開催「夏休み前に子供とソーシャルゲーム・スマホゲームを考える会」

もともと、ガンホーさんのお話をお伺いしたいなと思ったのは、子供が「パズル&ドラゴンズ」を友達もやってるから、共通の話題に入りたいし面白いらしいからということで毎日のようにプレイするようになったのがきっかけの一つでした。

また、パズドラの魔法石の購入上限額設定方法が「18歳以上ですか?YES OR NO」と同じに見える気がして、もうちょっとなんか方法あるんちゃうん。

と思ったこともありました。

オフラインイベントを開催するにあたってダメもとでと、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の問合せフォームからメッセージを送信したところ、本当に丁寧な返信を頂き、さらには、社内で検討会を開いていただき、最終的には登壇していただくことが実現できました。

このレポートで、ガンホーという会社が、どのように「ゲームづくり」に取り組んでいるのか?ということが伝わればと思います。

今回、「ネット企業」という立ち位置ではなく「ゲーム会社」として今回はお話を伺いました。

講師の橋本さんは、もともとはダイヤモンド社というビジネス系出版社で、ゲーム会社としては異色の経歴だそうです。

■ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の紹介

現在、ガンホーの従業員 263名、グループ11社 985名、日本には400名。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社としては、2002年から。

『ラグナロクオンライン』の運営という形でオンラインゲーム企業からスタート。

家庭用ゲームを開発している関連企業がある。

■パズル&ドラゴンズについて

今はパズドラが人気。

なぜパズドラがヒットしたのか?

ガンホーは家庭用ゲーム機のクオリティポリシーでスマホでのサービスを展開している。

家庭用ゲーム機の開発スタッフが家庭用ゲーム機のクオリティとポリシーでサービスを作った。

これは、ゲーム会社としての在り方だと思っているとこのと。

パズル&ドラゴンズは、スマホの限界に挑戦したタイトル。

ここまでならスマホで行ける?の、ぎりぎりを頑張った。

元ハドソンの山本大介さんがプロデューサー。

ガンホーは、ネット系サービスの会社ではなく、創業時からゲーム専門。

パズドラでスマホ向けのイメージが強いが家庭向けゲームを作ってるのはあまり知られていない。

コンシューマゲーム|ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社

http://www.gungho.co.jp/business/consumer.html

パズル&ドラゴンズは、去年の2月サービスイン。

パズル&ドラゴンズは、カジュアルなパズルとRPGの要素で長く遊べる。

実はこの半年、一本もリリースしていないとのこと。

こんなことは今までで初めて。

開発は13本くらい抱えている。

けれども、面白さや作り手の満足・納得が80-90%ではリリースしない。

100%になるまで突き詰める。

ガンホーの開発ポリシーは「おもしろ果汁100%」のゲーム作り。

クオリティは人それぞれ。

面白いと自分たちが感じるまでリリースしない。

ひたすら面白くなるまでとことん突き詰めたゲーム作りを行っている。

ゲームはエンターテイメント、娯楽。ほかにも映画やアニメ、音楽、テーマパークなどなど、、、もちろん「生活必需品ではない」娯楽のひとつ。

ライバルはゲーム会社だけではなく余暇を使うものすべて!

昔は、LOL のガンホー。

今は、パズドラのガンホーとなる。

パズル&ドラゴンズは、国内で1600万ダウンロード。

スマホアプリ100万ダウンロードで人気があると言われる。

この数は、スマホベンダーと契約している人の数が、iPhone+Androidを併せて5000万人なので、3人に一人がやっていることになる。

パズルとRPGの融合・パズル単体としてのゲームが成立。

RPG要素として、モンスターを育成、毎日のイベントでダンジョンが違う。コツコツ遊ぶ。

■ゲームについて

良いゲームもあれば悪いゲームもある。

全てのゲームがいいものだとは思っていない。

良いゲームとは?

「人に感動と驚きの体験を与える」→私たちの考えるゲームの役目。

儲けの道具ではない。

だが、ボランティアではないので、対価はいただく。

アトラクションがどんどん追加されていく。

キャスト、サービス、時期に応じたイベント、すべてを含めてディズニーランドのようなもの。

リピーターになってもらう。

開始から1年ちょっと。

ユーザー数はずっと右肩上がり。

毎日何かの違いがあって、成長してコレクション性があったりと、やめたくならない仕組み作り。

子供の遊びに理由はない。楽しいから遊ぶ。

昔と比べて、塾などで遊ぶ時間も少なくなっている→短時間や一人で遊べるゲームで遊ぶことが多くなる。

子供たちに安全で安心な環境。

実は・・・「ぜひスマートフォンではなく、家庭用ゲーム機で遊んでほしいと思っています」

パズドラの企画段階で子供でも楽しめるゲーム性だと思っていたけれど、子供はスマホ持ってないだろうという予想をしていた。

開発当時、iphone からスタートしたが、その後急激に子供たちに広がっていった。

開発当初から3DS で出そうとしてはいたが、スマホとゲーム機専用ゲームでは開発期間が全然違ったので、まず、スマホ版をリリースした。

冬にようやく3DSパズドラZを発売します。

パズドラZ公式サイト - ニンテンドー3DS専用ソフト

http://pad-3ds.gungho.jp/

子供は3DS、大人はスマホで年齢にあったプラットフォームでというのが理想。

3DS では課金の要素は一切なし。

安心・安全な任天堂プラットフォーム。

CESAの定めるCEROに準拠。

ROMの段階で暴力表現・性的表現を含まない徹底を行っている。

スマホが欲しいという子供には3DSでパズドラを。

■ちょっと告知

イオンモールでパズドラと遊ぼう!全国まわります!

コロコロ主催のコロツアーを企画中。

全国のイオンで開催、スタッフが直接子供たちと対話してきます。リアルのイベントにどんどん行ってPRをしていきたい。

パズドラZ体験コーナーなど、リアルな場で対話を通して子供たちにZを広めていきたい。

『パズドラツアー in イオンモール』開催!| パズル&ドラゴンズ

http://mobile.gungho.jp/news/pad/padtour.html

■ゲームと子供のかかわりを考える

LOL は60か国、6000万人のユーザ。

不正対策とユーザ対応、当時からメールサポートと並行し電話サポート窓口開設。

1983年、ファミコン発売。

ガンホーの社長も39歳、ファミコン世代。

ファミコンは「子供たちの遊び方を一変させた」

当時は社会現象に。

ハドソンでは高橋名人と「ゲームは1日1時間」という標語的な言葉をうちだし、業界全体でファミコンを盛り上げていった。

1日1時間というのはゲーム業界からすればもっとやってほしいけれどという思いもあったはず。

「子供が遊びすぎないように」という親の理解を得るためでもあったのではないか。

ドラクエの発売日に子供が学校を休んで困るとかの意見もあった。

「ゲームは1日1時間!」

これは、パズドラの画面にも表示しています。

ルールを決めてやることが大事。

それぞれの家庭に合った形で。

子供は夢中になり、熱中するゲームを通じて得れる感動があるはず。

リアルで体験できない体験を得れることもある。

■家庭のルールについて

1日1時間はむつかしい?

スマホの場合、部屋でやったらわからない。

ガンホー社長・森下社長の家庭のルール・平日はゲーム禁止・土日はやるべきことをやり終えたら好きなだけやっていい。

宿題や、家の手伝いなどのタスクを。土日禁止すると親だってゲームをやりたいのにできなくなる。

好きなだけやっていいと言うと、意外と外でやるなどほかのことをやりだす。

1時間という時間で単位するより管理は楽(森下さん談)

パズドラは、オンラインではあるが、ソーシャルゲームではない。

SNSにのっていない。

友達通しで通信する機能も必要最小限。

基本的には一人で遊ぶもの。

課金しなくても最後まで遊び続けられる。

子供の生活リズムや家庭によって変わる。

親と子供が納得したうえでのルールが大事。

パズドラユーザのほとんどが課金をせずに遊んでいる。

ゲームを進めていくことには「課金」ではなく「努力」が必要。

課金をしたから、強力な武器によって突然つよくなる、ということはない。

パズルのテクニック(修練度)があればあるほどいい→子供がうまい。

パズドラジャパンカップ→12,13,15歳が決勝戦 13歳の男の子が優勝大人が子供にパズル力でかなわない。

パズドラ ファン感謝祭2013 -イベントレポート-

http://mobile.gungho.jp/news/pad/event/2013/report2.html

1980年、81年に大ブームルービックキューブの早解きに似ている。

■未成年への対応について

ネイティブアプリにおける未成年者への対応において。

ネイティブアプリとはなにか? 端末内の演算装置が演算処理をするアプリ。

ブラウザアプリは、Webベースでサーバで連携して行うアプリ。

AppStore、Googleplayに準拠。

それぞれの独自開発基準に準拠した独立アプリ。

Apple、Googleそれぞれのルールが存在。

デベロッパー 開発会社→ガンホーはこの立ち位置

パブリッシャー 販売会社→ガンホーはこの立ち位置

プラットフォーマー ハード提供→ 任天堂、ソニー、マイクロソフト、Apple、Google

グリーは全ての機能を持ってる。

ガンホーはデベロッパーでありパブリッシャーだけど、プラットフォーマーではない。

お客様とアプリ提供会社の間に、プラットフォーマーがあり、個人情報の管理をプラットフォーマーが行っていて、未成年者かどうかという判断はつかない。

個人情報はApple、Googleが持つ。

そのため、独自のレギュレーション を策定しJOGAとも連携している。

何段階のステップを設けて対応。

ネイティブアプリデベロッパーとしてはいち早い段階で対応何段階のステップを設けて対応・注意喚起・年齢を聞く・課金したらども間宝石が課金した分がひと目で見てわかるようになっている。

購入分○個、無料配布分○個と表示される。

親もチェックしやすい。

Apple、Googleに対して密に対策を検討 消費者庁とも連携している。

年齢を聞くのもAppleとGoogleに相談して導入した。

未成年への高額課金対策について対応中。

理解を深めるためにイベントを開きレクチャーも行っている。

年齢制限を設けてる未成年との契約解除も対応する。

親権者より問合せがあった場合、情報収集のうえ対処・返金。

今年5月よりアプリ上に、同意画面などを実装。

注意画面利用規約の起動時表示。

小中高生の訪問学習受け入れも行っている。

ゲームと子供の問題は書くディベロッパーでなく、全体で考えることが必要(特にプラットフォーマーの役割は重要)。

それぞれの家庭に合ったルール作り。ぜひ、目の届きやすい家庭用ゲーム機で!

===

目の届きやすい家庭用ゲーム機で!っていうのがパズドラがヒットしている中でおっしゃるとはおもっていなくて、結構びっくりしたんですが、話を聞くと納得でした。

おもしろ果汁100%との通り、パズドラが大人も子供もかかわらず万人が楽しめる要素を盛り込まれ工夫されているんだということがわかります。

最近は、パズドラのようなパズルとRPGを組み合わせたゲームが増えているのも、新しい分野を作られたんだなと思います。

最初に、パズドラの魔法石の購入上限額設定方法が「18歳以上ですか?YES OR NO」と同じに見えると書いた話も、GoogelやAppleという縛りがある中で、やれる範囲で対策をした形なのかということを知ることができました。

これも、直接お伺いしないと知ることができないことだったかと思います。

とはいえ、スマートフォンやタブレットというプラットフォームを選択しているのですから、今後もそのプラットフォームでどのように「子供達が安心してゲームを楽しむステキ体験」を行えるように対策を行っていくのか?に期待したいなと思います。

また、ガンホーが取組んでいく未成年者への対応を他のメーカも追随して行っていくといいなと思います。

今後、ゲーム会社という立場で、様々な社会貢献活動や啓発活動も行っていかれるとのことですよ。

明日もお楽しみに。

第三回:

子供とネットを考える会 による『親にできる、ネットでの子供の守り方』とディスカッション